Japanische Klassiker mit Furigana
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せつれいきじ
雪霊記事
泉 鏡花
Lesen Sie 雪霊記事 (せつれいきじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.532 Zeichen · 14 Bildschirme
それは昔のままだったが、一棟、西洋館が別に立ち、帳場も卓子を置いた受附になって、蔦屋の様子はかわっていました。
代替りになったのです。――
少しばかり、女中に心づけも出来ましたので、それとなく、お米さんの消息を聞きますと、蔦屋も蔦竜館となった発展で、持のこの女中などは、京の津から来ているのだそうで、少しも恩人の事を知りません。
番頭を呼んでもらって訊ねますと、――勿論その頃の男ではなかったが――これはよく知っていました。
蔦屋は、若主人――お米さんの兄――が相場にかかって退転をしたそうです。お米さんにまけない美人をと言って、若主人は、祇園の芸妓をひかして女房にしていたそうでありますが、それも亡くなりました。
知事――その三年前に亡くなった事は、私も新聞で知っていたのです――そのいくらか手当が残ったのだろうと思われます。当時は町を離れた虎杖の里に、兄妹がくらして、若主人の方は、町中のある会社へ勤めていると、この由、番頭が話してくれました。一昨年の事なのです。
――いま私は、可恐い吹雪の中を、そこへ志しているのであります――
が、さて、一昨年のその時は、翌日、半日、いや、午後三時頃まで、用もないのに、女中たちの蔭で怪む気勢のするのが思い取られるまで、腕組が、肘枕で、やがて夜具を引被ってまで且つ思い、且つ悩み