Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くもとこもりうた

雲と子守歌

小川 未明

Lesen Sie 雲と子守歌 (くもとこもりうた) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.823 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「あんたも、疲れるでしょう。お大事に。」

そういって、二人は、たがいににっこり笑って別れました。病人につききりの看護婦は、手に氷袋をぶらさげていました。

健康の人の住む世界と、病人の住む世界と、もし二つの世界が別であるなら、それを包む空気、気分、色彩が、また異なっているでありましょう。そうすれば、これらの若い献身的な人々は、いったいどちらの世界に住むというべきであろうか。

ここは、病院の一室でありました。そこには、五つになる男の子が、ろっ骨カリエスにて、もう永らく入院していました。その子の看護には、真のお母さんが、あたりました。子供は、日増しにつのる病勢のために、手足はやせて、まったくの、骨と皮ばかりになって、見るさえ痛々しかったのでした。それだけでなく、ものにおびえるような目つきは、日に幾回となく、ゲリゾン注射や、ぶどう糖注射や、ときには輸血をもしなければならなかったので、そのたび苦痛を訴えて、泣き叫ぶ事実を語るのであります。子供の小さな肉体と可憐な魂は、病菌が、内部から侵蝕するのと、これを薬品で抗争する、外部からの刺激とで、ほとんど堪えきれなかったのであります。