Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くもとこもりうた

雲と子守歌

小川 未明

Lesen Sie 雲と子守歌 (くもとこもりうた) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.823 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

夜はしだいに更けていくのです。そのとき、暗い、寒い、廊下に立って、子守歌に耳を傾けている、おばあさんがありました。

「私も、せがれを大きくするまでには、いくど泣いたり、笑ったりしたかしれない。そして、戦争で、出征してからも、便りがなかったのは、一年や二年でなかった。実に長い間のことで、あの子の安否を気遣い、そのため、私は、やせてしまった。しかし死んだとは思われず、どこかに生きているものと、毎日かげぜんを供えて、ただ、あの子が、どうかして無事に帰ってくれるのを待っていた。そのかいもなく、戦死の報知があったときには、私は、まったく気が転倒してしまった。しかし、いまだに、死んだと信ずることができず、どこか南の名もない島にでも生きているような気がして、きょうまではかない希望をつないでいるのではあるが、もしせがれが、草葉のかげに眠るとしたら、一人の母が、こうして、派出婦となって、たよりなく、日を送るのを、どうして知るであろうか。」

哀れな老婆は、しわの寄るほおを流れる、涙を手でふいていました。

重い荷でも積んだトラックが、どこか外の往来のぬかるみに、はまり込んだとみえ、先刻から、けたたましく笛を鳴らして、抜け出ようとあせっている。