Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らいほうとうものがたり

雷峯塔物語

田中 貢太郎

Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

酒がすむと李幕事は逃げるように室を出て往った。許宣はしかたなしに李幕事の返辞を待つことにして待っていたが、二日経っても三日経っても何の返辞もなかった。そこで許宣は姐の処へ往った。

「姐さん、この間のことを、兄さんと相談してくれましたか」

「まだしてないよ」

「なぜしてくれないのです」

「兄さんが忙しかったからね」

「忙しいよりも、兄さんは、私が婚礼すると、金がかかると思って、それで逃げてるのじゃないでしょうか、金のことなら大丈夫ですよ、ありますから」

許宣はそう言って袖の中から五十両の銀を出して姐の手に渡した。

「一銭も兄さんに迷惑はかけませんよ、ただ親元になって、儀式をあげてもらえばそれでいいのですよ」

姐は金を見て笑顔になった。

「おかしいね、お前はどっかのお婆さんと婚礼するのじゃないかね、まあいいわ、私がこれを預ってて、兄さんが帰ってきたなら、話をしよう」

許宣はそれから姐の室を出てきた。姐はその夜李幕事の帰ってくるのを待っていて、許宣の置いて往った金を見せた。

「あれは、何人かと約束しているのですよ、親元になって、儀式さえあげてやればいいのですよ、早く婚礼をさそうじゃありませんか」