Japanische Klassiker mit Furigana
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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme
捕卒がふみこんできた時から、もう気が転動して物の判別を失っていた許宣は、邵大尉庫中の盗賊と言われて、はじめて自分に重大な嫌疑のかかっていることを悟った。
「私は、決して、人の物を盗むような者ではありません、それは人違いです」
許宣は一生懸命になって分弁をした。
「いつわるな、その方が邵大尉の庫の中から金を盗んだということは、その方が姐に預けた、五十両の金が証拠だ、あの金はどこにあったのじゃ」
「あの金は、荐橋の双茶坊の秀王墻対面に住んでおります、白という女からもらいました」
許宣はそこで白娘子と近づきになったことから、結婚の約束をするようになったいきさつを精しく話した。その許宣の詞には詐りもないようであるから、韓大尹は捕卒をやって白娘子を捉えさした。
捕卒は縄つきのままで許宣を道案内にして双茶坊へ往って、秀王墻の前になって高い墻に囲まれた黒い楼房の前へ往った。それはもう古い古い家で、人が住んでいそうには思われなかった。許宣は不思議に思って眼を瞠っていた。捕卒の一人は隣家へ走って往ってその家の事情を聞いてきた。それは毛巡検という者の住んでいた家で、五六年前に瘟疫で一家の者が死に絶えて、今では住んでいる者はないはずであるが、それでも時どき童子が出てきて東西を買うのを見たことがあるから、何人かが住んでいるだろうが