Japanische Klassiker mit Furigana
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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme
心がおちついてくるとともに彼は恐ろしい妖婦に纏わられている自分の不幸を思いだして、悲しみも憤りもした。李克用は許宣が杭州で薬舗の主管をしていたことを知ったので、仕事をさしてみると、することがしっかりしていて、あぶなかしいと思うことがなかった。
そこで主管にして使うことにしたが、他の店員に妬まれてもいけないと思ったので、許宣に金をやって店の者を河の流れに臨んだ酒肆へ呼ばした。
やがて酒を飲み飯を喫って皆が帰って往ったので、許宣は後で勘定をすまして一人になって酒肆を出たが、苦しくない位の酔があって非常に好い気もちであった。彼は夕暮の涼しい風に酒にほてった頬を吹かれて家いえの簷の下を歩いていた。
一軒の楼屋があってその時窓を開けたが、そのひょうしに何か物が落ちてきてそれが許宣の頭に当った。許宣はむっとしたので叱りつけた。
「この馬鹿者、気を注けろ」
楼屋の窓には女の顔があった。女は眼を落してじっと許宣の顔を見たが、何か言って引込んだ。許宣が不思議に思っていると、かの女は門口からあたふたと出てきた。それは白娘子であった。
「この妖婦、また来て俺を苦しめようとするのか、今度はもう承知しない、つかまえて引きわたすからそう思え」