Japanische Klassiker mit Furigana
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でんしゃていりゅうじょう
電車停留場
豊島 与志雄
Lesen Sie 電車停留場 (でんしゃていりゅうじょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.082 Zeichen · 31 Bildschirme
木原藤次は思わず一歩後に退った。そして男の様子をじろじろ見調べながら云った。
「不服なら降りて貰いましょう。」
「何だと、もう一度云ってみろ! 何処まで乗ろうと俺の勝手だ。不当に乗車を拒むなら、俺にも考えがある。肩を小突いた上に、降りろとは何だ。少しは人間らしい口を利け。」
木原藤次は顔を外向けて、痩我慢の苦笑を洩らした。相手にとって悪い男だと思ったのである。そしてまだだいぶ間のある次の停留場の名を、声高に呼び上げておいて、こちらを向いてる多くの視線に答える心持で、独り呟いた。
「仕様のない酔っ払いだ。」
それを洋服の男は聞き咎めた。
「俺を酔っ払いだと云ったな。どこが酔っ払ってるんだ? さあ云ってみろ。車掌のくせに人を何だと思ってる! 馬鹿っ! どこが酔っ払ってるか、はっきり云ってみろ。」
そして彼は足をとんとんと踏み鳴らした。
「静にして貰いましょう、仕事の邪魔になるから。」木原藤次はつとめて落付けた調子で云った。「不服があるなら監督を呼びますから、監督に談じて下さい。」
「なに、監督を呼ぶ! 呼んでこい。さあいつでも呼んでこい。貴様の名前は何と云うんだ? このままじゃあ承知しないぞ。