Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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でんしゃていりゅうじょう

電車停留場

豊島 与志雄

Lesen Sie 電車停留場 (でんしゃていりゅうじょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.082 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

その内輪だけの送別会から、彼は今戻り途に在るのだった。

会へ出かける時彼は、「今晩遅くなるかも知れない。」と細君へ云い置いてきた。その胎の底では、二次会で思うさま飲んでやるつもりだった。所が会が果ててから、誰も二次会を云い出す者がなかったし、彼が首唱しても、賛成する者がなかった。表面には少しも現わさなかったけれど、内々不平の念でしきりに煽った酒が、悪く頭にまわって、何だかじっとしておれなくなった彼は、帰りに二三の同僚を誘って、何処かへぐれ込むつもりだったのに、どうしたことか変に帰り後れて、一人ぽつりと往来に取残されてしまった。そして半ば自棄気味に、一人で飲んで騒いでやれと考えて、それでもなお念のために、懐中を一応調べてみると、七八円の金しか残っていなかった。細君がまた例の手段で、紙入の中を勝手に処分したのに違いなかった。彼は眉根をしかめて舌打ちしたが、持ち合せの不足くらいどうにでもなる、懇意な家へ行ってみようと、少し遠いのを我慢して、電車の停留場の方へ歩き出した。その時、思ったより酔ってる足がふらふらとして、前のめりに、いやというほど電柱へぶつかった。