Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんさいこうき
震災後記
喜田 貞吉
Lesen Sie 震災後記 (しんさいこうき) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.544 Zeichen · 41 Bildschirme
乗り合いの人々には罹災避難者の帰京やら、親戚故旧の見舞やら、災害跡の見物やらに行く人が多く、惨状の話で持ち切りだ。その車中の見聞にも変時の心得、災後の跡始末、将来の思想問題等について、参考とすべきものがすこぶる多かった。中にはかなり過激な、罹災者の心理を露骨に発表しているものもあった。
上方の新聞では最初沼津、三島あたりの被害が仰山に伝えられたが、来てみると沼津あたりでは震災らしい跡はあまり見られぬ。御殿場以東になって、始めて、だんだん潰れ家や山崩れが見え出した。小山(駿河駅)の富士紡工場破壊にはその惨状のはなはだしきを見せられた。汽車はきわめて緩い歩みをもって、仮修繕のレールの上をすべって行く。谷峨信号所の附近で下ろされて、雨降りの中を徒歩で連絡させられる。近傍農村の少年・青年・老婆たちまで、手荷物運搬に出かけている。地震のお蔭で臨時の副業の出来た訳だ。線路上には配置の兵士が声を枯らして混雑を整理し、橋梁上やトンネル内では二列に並べて行進せしめるのだが、訓練を欠いた旅客はちょっとのすきを見て、たちまち抜けがけを試みる。油断も何も出来たものではない。