Japanische Klassiker mit Furigana
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Lesen Sie 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.100 Zeichen · 86 Bildschirme
祖国を遠くはなれたこのアドリア海の小さい港町で、父と子が、こんな霊的なめぐりあいをするとは、これが宿命の一頁で、すでにきまっていたこととはいえ、奇遇中の奇遇といわなくてはなるまい。
「お父さん。よく生きていて下さいました。親類でもお父さんのお友だちも、ほとんど絶望して、お父さんはもう生きてはいないだろうと噂しているんですよ。よく生きていて下すったですね」
隆夫のたましいは、うれしさいっぱいで、父親のたましいにすがりついた。
「うん、みんなが心配しているだろうと思った。しかし知らせる方法もなかった。それにわしとしても、明日生命を失うか、あるいは一時間後、十分後に生命を失うかも知れず、おそろしい危険の連続だった。いや、今も安心はしていられないのだ。それはいいが、お前はどうしたんだ。さっきから、いぶかしく思っているんだが、お前の肉体はどこにあるんだ」
父親は、心配の様子。
慈愛ふかい父親の心にふれると、隆夫のたましいは、悲しさの底にしずんで、
「お父さん。聞いて下さい。こうなんです」
と、これまでに起ったことを、父親に伝えたのであった。
霊魂の研究者
すべての事情を、隆夫のたましいから聞きとった父親治明博士のたましいは、大きなおどろきの様子を示した。