Japanische Klassiker mit Furigana
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もやのかなた
靄の彼方
上村 松園
Lesen Sie 靄の彼方 (もやのかなた) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.941 Zeichen · 4 Bildschirme
心忙しい気もちから脱れて、ゆっくり制作もし、また研究もしたいと年中そればかりを考えていながら、やはり心忙しく過ごしています。そんならそれで、その心忙しい程度に何か出来るかと申しますと、一向何もかもハカどらないのには、自分ながら愛想がつきます。世間の作家たちのことは、あまり知らない私のことですから、どんなものかわかりませんが、私としては、年から年中、あれも描かんならん、これもこうと考えに追い廻されていながら、その割に筆の方は一向ラチの明かないのには、歯痒くて堪りません。
唯今は、またぞろ、ある宮家に納まるべきものに筆を着けています。これも疾くに完成しておるべきはずのものですが、未だに延びのびになっています。
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作家が、年中作品の制作に没頭していると申すことは、その作家にとって仕合せのようでもあって、実は苦しみでもあります。描くべきものをすっくり描き上げてしまい、これで何もかもさっぱりという爽やかな軽い気分に一どなって、さて、改めて研究なり、自分の好きな方へなり、一念を入れてみたら、こんな幸福なことはなかろうと思うのですが、仕事がゆるしてくれません。