Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいくさ
青い草
小川 未明
Lesen Sie 青い草 (あおいくさ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.244 Zeichen · 7 Bildschirme
しかし、いまは噴水や、相撲の人形などを見ても、自分には縁の遠い気がしたし、べつにほしいとも思いませんでした。ただ、そんなおもちゃを買うことのできる子は、しあわせな子供と思っていました。デパートの屋根には、アドバルーンが高く上がっていました。風が寒く、雲が低かったのです。近所の店で鳴らす、蓄音機の音が、いつかお母さんの田舎へいったとき、丘の下の小学校で、女の先生がひいていたオルガンの音を思い出させました。
その先生は、紫色の、長いたもとのついた羽織を着ていました。
「お父さん、不景気でだめだから、お母さんの田舎へいこうね。」
義坊は、こういいました。なぜか、お母さんの田舎へいこうというと不幸な父親は、いつでも、だまってしまうのです。
「また雨かな、だいぶ寒くなった。もう、すこしやって、お家へ帰ろうな。」
父親は、尺八を持ち直して、思いきり深く息を吹き込みました。
うさぎ追いしかの山 小ぶな釣りしかの川
夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷
道を急ぐ人々の中には、立ち止まって、じっと耳をすます青年がありました。また、女の人がありました。その人たちは、しまいまでその歌に聞きとれていました。