Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.888 Zeichen · 317 Bildschirme
むろん大口ばかりで、会社の食堂とか宴会などの注文が多く、数の少ない注文はみな断わっているそうであった。私は蒸気河岸にいた当時のことや、長をはじめ知っていた人たちの話をした。
「大蝶はつぶれただよ」と鉄さんはビールを啜りながら云った、「四丁目(洋食屋)は旅館に転業してえらく儲けただ、うん、留さんも死んじまったし秋屋船長も死んだだ」
「大蝶がねえ」私はなにかしら遠いこだまを聞くように思った、「あんなに盛大にやっていて、浦粕一の缶詰工場だったのにな」
実際は「大蝶」などどっちでもよかった。その工場にかかわりのある幾つかの出来事や、そこで働いていた人たちのことが思いだされるくらいで、それよりも留さんの死のほうが強く私の心を打った。高品家の炉端で、みんなにからかわれながら、怒りもせずに笑っていた彼、三十六号船の舳先に立って、「おも舵いっぱい」とか「スロー、スロー」などと、ブル船長に叫んでいた彼、また根戸川亭で自分の女に毒づかれ、こき使われ、客たちの前でばか踊りまで踊らされた彼。――あの性質ではおそらく、幸福な生活には恵まれなかったであろう。死ぬときにも妻子がいたかどうか、仮にいたとしてもたぶん彼にとって慰めや安息とはならず、それまでの女たちがそうであったように、彼を罵りこき使い、倒れるまでがっちりと彼を緊めあげたこと