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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんそうとえいざんのろうや

青年僧と叡山の老爺

若山 牧水

Lesen Sie 青年僧と叡山の老爺 (せいねんそうとえいざんのろうや) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.808 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

た。止むなく、私はどうか今夜だけ、と頼んで漸く部屋に通された。老婆がその通り、給仕に出た小僧もまた不愉快千万な奴で、遙々楽しんで来たこの古めかしい山上の幻の影は埒もなくくずれてしまった。

で、翌朝夜があけるのを待って宿院を出た。すぐ下山しようとしたが、斯んな風では恐らく二度とこの山に登る気にもなれまい、来たを幸い、普通一遍の見物だけでもやって行こうと踵を返して、根本中堂からずっと奥の方へ登って行った。当山の開祖伝教大師の遺骨を納めてあるという浄土院へゆく路と四明ヶ嶽へ行く路との分れ目の所に一軒の茶店のあるのが眼についた。その時のことを書いておいたものがあるのでその文章を此処に引いて見よう。

ちょうど通りかかった径が峠みた様になっている処に一軒の小さな茶店があった。動きやまぬ霧はその古びた軒にも流れていて、覗いてみれば薄暗い小屋の中で一人の老爺が頻りに火を焚いている。その赤い火の色がいかにも可懐しく、ふらふらと私は立ち寄った。思いがけぬ時刻の客に驚いて老爺は小屋の奥から出て来た。髪も頬鬚も半分白くなった頑丈な大男で、一口二口話し合っているうちにいかにも人のいい老爺であることを私は感じた。