Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
不幸な彼女は人生の悲哀も、愛のうれしさも、神の恵みも、その心持ちがしみじみと会得され、晩年には聖書をそばからはなさず、ブルックス僧正から愛と恵みの教えを受くることを、何より楽しみといたしました。私は、光と音とを知らない彼女が、海辺をさまようては貝殻を拾うたり、岩に腰をおろして、海の博い心や、太陽の思いを想像したりして、時のたつのを忘れたという語を読んで、深く感動いたしました。神様はさながらあわれなる彼女の一生を、やさしき悲しみもて守り給うように見えます。そしてこの書物を読んで私の心に残ったものは、やはり人生の深い悲哀と、愛の不思議なうれしさとでした。遠い遠い平安と調和とを信じる心地が、私の胸の奥深く起こって参りました。
この間の手紙に結婚のことを書きましたけれど、あれはそうも思われると申しただけで、そう決めているのではありませんし、また他に考えねばならないことのいくらもあることも、承知いたしています。ただ私はいかにして純なる心で女性を愛すべきかという現実の煩悶を、常に持っています。性の問題は私には実に困難な問題に感ぜられます。そしてこれがために少なからず心の平安を乱されます。