Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私はもったいなく感じます。なにとぞ私を許して下さいまし。私は心が混乱しているためと発熱して少しく不快であったのと、来客をもてなすためなどでこのように永い御無沙汰をしてしまいました。私は心が乱れて手紙がかけないので、しばらく妹とも別れて二、三日淋しい山のなかの温泉へ行って心をまとめて手紙をかくつもりでした。そして出発しようとしてる時に、ひとりの従弟が訪ねて来たのでそのくわだては行なわれませんでした。今夕従弟は別府を去りました。そして雨のしとしと降る音を近頃になくしみじみした親しみのある心できくことのできるような気分が訪れました。私は従弟を波止場まで送って帰り妹と雨に煙る街のともしびを見ながらなつかしい淋しい話をいたしました。もう一週間すれば別府を去ることや、病院のことや、あなたたちのことや、ふる里の母のことなどを、そしてことに私のひとりの妹のこの頃の苦しい煩悶について二人は胸をいためつつ語りました。その後で私はあなたにしみじみと手紙の書ける心地に訪れられてこのように筆を執りましたのでございます。
あなたは今頃はどうしていらっしゃるでしょう。おおかた読書していらっしゃるか、創作にいそしんでいらっしゃるかでしょうと思われます。