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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおふくのおとこ

青服の男

甲賀 三郎

Lesen Sie 青服の男 (あおふくのおとこ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.026 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

ともう一度感嘆して、「よし直ぐ行く」

追取刀で駆けつけた長井巡査は寺本医師を見ると、丁寧に礼をして、

「先生、病死に違いありませんかね」

「狭心症に間違いありませんよ」

「いつ頃ですかなア、死んだのは」

「さようさ。今の様子が死後十時間乃至十四、五時間という所ですから、死んだのは昨夕の八時から十二時の間でしょうか」

「八時から十二時」と巡査は手帳につけながら、「その間にこゝへ帰って来た訳ですなア」

「帰ってすぐ死んだとするとその通りですな」

「なるほど」と、手帳を訂正しながら、「帰って来たのはその以前かも知れませんなア。然し、帰って来たのが十二時以後という事はあり得ない訳ですか」

「まアそういう事です」

「他殺でもなく、又変死でもなく、只の病死だとすると、問題はない訳ですが、念の為に署の方へ報告して置きましょう」

長井巡査は手帳を閉じてポケットに入れると、さっさと歩いて行った。

寺本医師も帰り支度をしながら、お徳に、

「この人は伯父さんから別荘を譲られてから、昨日初めてこゝへ来たんだね」

「そうでごぜえますだ。先の旦那がなくなられますと、すぐ手紙が参りまして、儂はなくなった人の甥っ子だが、別荘さ譲り受ける事になったゞから、前々通り管理していてくんろっていって来ましたゞ。