Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あおきのしゅっきょう

青木の出京

菊池 寛

Lesen Sie 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.513 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

雄吉は、どうかしてこの不快から逃れようと思った。が、青木と会ってから三十分にもならないのだから、体よく別れを告げるわけにもいかなかった。

「どうだい! 君、桑野のところへ行ってみないかい」と、ようやく雄吉は一策を考えた。桑野は、やはり同窓の一人で、作家としていちばん早く世間から認められた男であった。

青木も賛成した。雄吉は給仕女を呼んで、勘定を払おうとした。すると青木はいつの間にか五円札を持っていて、「いや勘定は俺がしよう」といいながら、女中に五円札を渡した。雄吉は強いて争うべきことでもないので、青木のなすままにした。雄吉は、青木の、そうした弱味を見せないぞ、零落はしていないぞといったような態度が、かなり淋しかった。

二人は、尾張町から上野行の電車に乗った。ふと、雄吉は停留所の電柱の時計を見ると、ちょうど三時を示していた。明日の四時といえばもう二十五時間だ。二十五時間経てば、青木――雄吉にとっては、永久の苦手ともいうべき危険性を帯びたこの男は、東京にいなくなってしまうのだ。もう少しの辛抱だと思った。そう思っていると、青木は、

「君! 雑誌記者なんて、ずいぶん惨めな報酬だというじゃないか。