Japanische Klassiker mit Furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Lesen Sie 青銅の基督 (せいどうのキリスト) von 長与 善郎 (ながよよしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.703 Zeichen · 133 Bildschirme
のために残された後、モニカは白無垢の装束を着け、したたるごとき黒髪を一ところ元結で結び、下げ髪にしてしずしずと現われた。
水を打ったごとき式場の中央に藁莚を敷き、その上に低い台を置き、さらにその上に踏み絵は置かれてあった。そしてその左右には与力が向かい合いに床几に腰をおろし、一々の者の「踏み方」をきっとにらみ見ていた。
モニカは神色自若としてその前に進み、ひざまずき、まずその像を手にとってじっと打ちながめた。
「あああなたは、やはり信心を持っていらっしったのですね、ありがとう。」
役人にも聞こえぬほどの低い声で彼女はこうつぶやいた。そして急にそれを抱きかかえるごとくひしと胸に押しあて、接吻し、またそれをうやうやしく台の上におくと手を合わせて拝んだ。もちろん彼女はその場に引き立てられた。
モニカのしらべは朝の五ツ半時ごろであったが、二千人以上の「踏み方」がおわって、丸山連の番になったころにはもう日暮れに近かった。
その丸山連の中に君香がいたことはいうまでもなかった。彼女はモニカと同じことをし、そして自分をつかまえた役人にいった。
「あたしは信者ではないのよ。