Japanische Klassiker mit Furigana
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あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま
青髯二百八十三人の妻
久生 十蘭
Lesen Sie 青髯二百八十三人の妻 (あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.736 Zeichen · 28 Bildschirme
この別荘には三十八九の中年の婦人とアンドレェという十七歳の少年が住んでいるはずなので、二人はどうしたのかとたずねると、いまロンドンにいると主人が答えたというのである。
ヴェルヌイユの「ロッジ」は法医学のポール・エーノォ博士が調べた。料理ストーヴの灰のなかから、半ば溶けかかったコルセットの留金の一部と二百五十六個の人骨を発見したが、そのうちの百四十七個は頭蓋骨の破片で、少なくとも三人のちがった人間のものだと断定した。煙突の煤は濃厚に人間の脂肪を含んで居り、人体をある程度に細断すれば、この竈で容易に焼却できたろうと博士がいった。
情況証拠の蒐集は、二年後の二十年の冬に完了し、手帳にあった十人の女性の非業の最後を法廷で立証できるところにまで辿り着いたが、たとえていうならば、それは深い夜の闇に、ほんのりと薄明の色がさしかけたというぐらいのところであった。
ランドリュの手帳には、十人のほかに、二百七十三人の女性の名が書きこまれ、そのうちの百八十九人の名の頭に鉛筆で黒い十字架のマークをつけてある。ランドリュは一九一四年の四月以来「ル・マタン」の案内欄に、たえず求婚と家具買入の広告を出していたことは捜査局にもわかっていた。