Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんのかい
革鞄の怪
泉 鏡花
Lesen Sie 革鞄の怪 (かばんのかい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.394 Zeichen · 21 Bildschirme
それは甘んじて受けます。
いずれも命を致さねばなりますまい。
それは、しかし厭いません。
が、ただここに、あらゆる罪科、一切の制裁の中に、私が最も苦痛を感ずるのは、この革鞄と、袖と、令嬢とともに、私が連れられて、膝行して当日の婿君の前に参る事です。
絞罪より、斬首より、その極刑をお撰びなさるが宜しい。
途中、田畝道で自殺をしますまでも、私は、しかしながらお従い申さねばなりますまい。
あるいは、革鞄をお切りなさるか、お裂きになるか。……
すべて、いささかも御斟酌に及びません。
諸君が姑息の慈善心をもって、些少なりとも、ために御斟酌下さろうかと思う、父母も親類も何にもない。
妻女は亡くなりました、それは一昨年です。最愛の妻でした。」
彼は口吃しつつ目瞬した。
「一人の小児も亡くなりました、それはこの夏です。可愛い児でした。」
と云う時、せぐりくる胸や支え兼ねけん、睫を濡らした。
「妻の記念だったのです。二人の白骨もともに、革鞄の中にあります。墓も一まとめに持って行くのです。
感ずる仔細がありまして、私は望んで僻境孤立の、奥山家の電信技手に転任されたのです。