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Japanische Klassiker mit Furigana

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かばんのかい

革鞄の怪

泉 鏡花

Lesen Sie 革鞄の怪 (かばんのかい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.394 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

……窈窕たるかな風采、花嫁を祝するにはこの言が可い。

しかり、窈窕たるものであった。

中にも慎ましげに、可憐に、床しく、最惜らしく見えたのは、汽車の動くままに、玉の緒の揺るるよ、と思う、微な元結のゆらめきである。

耳許も清らかに、玉を伸べた頸許の綺麗さ。うらすく紅の且つ媚かしさ。

袖の香も目前に漾う、さしむかいに、余り間近なので、その裏恥かしげに、手も足も緊め悩まされたような風情が、さながら、我がためにのみ、そうするのであるように見て取られて、私はしばらく、壜の口を抜くのを差控えたほどであった。

汽車に連るる、野も、畑も、畑の薄も、薄に交る紅の木の葉も、紫籠めた野末の霧も、霧を刷いた山々も、皆嫁く人の背景であった。迎うるごとく、送るがごとく、窓に燃るがごとく見え初めた妙義の錦葉と、蒼空の雲のちらちらと白いのも、ために、紅、白粉の粧を助けるがごとくであった。

一つ、次の最初の停車場へ着いた時、――下りるものはなかった――私の居た側の、出入り口の窓へ、五ツ六ツ、土地のものらしい鄙めいた男女の顔が押累って室を覗いた。

累りあふれて、ひょこひょこと瓜の転がる体に、次から次へ、また二ツ三ツ頭が来て、額で覗込む。