Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
もし出来るなら、この二つの鞄を並べてみればよく分るのであるが、今はそんなことが出来ない。お化け鞄は相変らず神出鬼没だし、目賀野たちが出頭して引取っていった只の鞄の方は、目賀野たちと共に目下行方不明とある。
もう一つ、帆村が特に重大視していることがあった。それは案外誰も大して気にかけていないことであったが、例の「赤革トランク紛失」の新聞広告のことであった。
あの三行広告は、同じ日の同じ新聞の広告欄に、同じような文句でもって、二つの広告が並んでいた。「拾得届出者に相当謝礼」と書いてある「姓名在社三二五番」と、もう一つは「拾得届出者に莫大謝礼」と書いてある「姓名在社三二六番」との二つだった。
一体これは何者が出した広告なのであろうか。帆村が調べたところでは、前者は「葛飾区新宿二丁目三八番地松山」が出したものであり、後者は「板橋区上板橋五丁目六二九番地杉田」が出したものであった。それらの番地を当ってみたところ松山という家も杉田という家もちゃんとあったけれど、その当人はこの広告主ではなく、本当の広告主は別にあった。それに頼まれて名前を貸しただけのことで、その当時毎日何回か、連絡の人が尋ねて来たそうだが、もうこの頃は来なくなったそうである。