Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.832 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

……あなたは、落したときめこんで、しきりに戸外ばかり探すが、私にすれば、どうも家の中にあるように思われてならないんですがねえ」

「なにをぬかす」

「……印籠がなくなったのが五日前で、万年青が枯れはじめたのがやはり五日前。……この二つの間に、なにかの関連があるのではねえのでしょうか。……ひとつ、この万年青を睨みつけて、じっくりとお考えなすってはどうです」

庄兵衛は、腹立ちまぎれの渋っ面で、腕を引っ組んで考えこんでいたが、やがて、膝を打って躍りあがり、

「うむ、読めた。……おい、阿古十郎、印籠はナ、この植木鉢の底に入っているんだぞ。……思うに、賊はこれを取りかえしに来て、一旦は、手に入れたが人の足音、というのは、……とりも直さず貴様の足音だったのじゃが、それに驚いて始末に窮し、そんなものを身につけて捕えられた場合の危険を察し、それを万年青の底へ隠した。……その際、たまたま覆蓋が外れて、鳳凰角の薬包が飛び出した。……こちらはそんなこととは知らないで、いつものように水をやったもんだから、毒薬が溶けて万年青を弱らせるようになった……水をやればやるだけ枯れる度合もひどかろうというもんじゃ。