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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.712 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

それもそのはず、ここに居おうのは開化五人組といわれる洋物屋の主人。

いずれも腐儒の因循をわらい、鎖港論を空吹く風と聞き流し、率先して西洋事情の紹介や、医書、究理書の翻刻に力を入れ、長崎や横浜に仕入れの出店を持って手びろく舶載物を輸入する、時勢から二歩も三歩も先を行く開化の先覚者。

毎月八日に、この長崎屋の寮で句会をひらく。俳句はぼくよけで、実は、大切な商談の会。

顧問格の、仁科という西洋通を正客にまねき、最近の西洋事情やら外国船の来航の日取りをきく。

たがいに識見を交換し、結束をかたくして攘夷派の圧迫に耐え、一日も早く、日本をして文明の恩恵に浴さしめ、新時代を招来して、その波に乗って巨利を博そうという商魂志心。

正座についている、精悍な顔つきをした役人ふうな瘠せた男は、もと長崎物産会所の通訳で、いまは横浜交易所の検査役仁科伊吾。

その手前にかけている小柄な男は、洋書問屋の草分、日本橋石町の長崎屋喜兵衛。年に二回和蘭の書物が輸入されるときになると、洋学書生どもが、大枚の金を懐にして、百里の道をも遠しとせず、日本の隅ずみからこの長崎屋を目ざして集って来る。