Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme
ここまではいいが、そのあとは、ちょっと意外なことになった。
普通ならば、これから道成寺へ行って、塀を乗りこえて鐘楼に近づく、ということになるのだが、どうしたのか、今晩の『写し絵』は蛇体が日高川を泳ぎわたると、とたんに、どこか、離家の横手のようなところが映り、ひとりの作男ていの男が、そこの下見の節穴へ、写し絵の種板のようなものをおしあててニヤリと凄い顔で笑う。
と、場面が変って、座敷の中。十八九の娘が、枕屏風を引きまわして寝ているその欄間の上を、先刻の清姫の蛇体が、すさまじいようすでニョロニョロと這いまわりはじめた。
見物の村の衆は、あっけにとられて口をあいて眺めるうちに、暗闇の庭さきで、あッ、という叫び声がきこえ、つづいてバタバタと門のほうへ走り出したものがある。
むさんに駈けて行って、潜りから外へ飛びだそうとしたが、かねて手はずがしてあったものと見え、門の両側の闇につくばっていた五六人の男がムクムクといっせいに立ち上って、折り重っておさえつけてしまった。
引きおこしてみると、それが、日ごろまめまめしく立働いていた下男頭の作平。
五日市街道のもどり道。