Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.435 Zeichen · 27 Bildschirme
「どこにも運び出したような跡がねえ。いってえ、鯨なんていうのは、最初っからいなかったんじゃねえのか。くだらねえ人騒がせをするときかねえぞ」
若太夫はおびえた声で、
「どうして、まあ、そんなことが。現在こうして今日までに何千という人に……」
ひょろ松は、ジロリとその顔を見あげて、
「さもなけりゃ同腹だろう。手前らが櫓裏の二階にいて、これだけの物が運び出されるのに気がつかねえはずはなかろう。死んでいたのか眠っていたのか、それとも霍乱でも起してひっくりかえってたのか。生きて眼をさましていたとあれば、それは理屈にあわなかろう、どうだ」
後から六兵衛が、ささり出て来て、
「そうおっしゃるのは、いかにもごもっとも。あっしらのおりましたところは飾場のちょうど真上。あれだけの物が運び出されるのがどうして気がつかなかったか、それが不思議でならねえンで。……よだ六というのが飛んで来てそう言いましたときも、誰ひとり本当にする者アない。馬鹿にしやがると思いながらおりて来て見て、真実、狐に化かされたような気がしました」
落着
顎十郎は、ふンと鼻を鳴らして、
「凧にのって金の鯱をはがす頓狂なやつだっている。