Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.435 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「えッ、本当ですか。いったい、ど、どんなことをして持って行きやがったンでしょう」

顎十郎は、なにをくだらんといった顔で、

「なにもいちいち掘立柱の根を調べるには当らない。どうしたって丸一疋のままで持って行けるわけはないとすれば、切りきざンで小さくして持ちだしたのに違いなかろう、きまり切った話だ」

「でも、切るにしたって、あんな大きな物を」

「一人二人じゃ出来なかろうが、三十人も手わけしてかかれば一刻ぐらいで造作もなく片がつく。最初っから臓腑は抜いてあるンだし、脂抜きはしてあるし、腹の中はガラン洞で、鯨といったってただ骨と肉だけのこと。挽ききるにしろ、刻むにしろ、どうでも手に負えないというような代物じゃない。になって持ちだせるくらいの大きさに刻めば、後は三十人で二三度往復すれば、肉ひとっぺら残さずに運び出してしまうことが出来る。なンとそんなもンじゃなかろうか、なア、ひょろ松」

ひょろ松は、手をうって、

「なるほどね、これは恐れ入りました。が、ひとつわからないことがあります。最初に勘八というのがおりて来て、お次に下座三味線の秀という女がおりて来た。二人がおりて来たときには鯨はたしかに飾場にあったンです。