Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.435 Zeichen · 27 Bildschirme
ちょいと待ちな、どこへ行く。
さすがの阿古長とど助、クタクタになって、
「もういけません。この調子では佐久間町まで行くうちに夜が明けてしまう。いい後は悪いというのは本当ですね、阿古長さん。この様子で見ると、江戸一円になにか大捕物があるのだと思われますが、こうと知ったら、もう少し早く切りあげるンでした」
「捕物だかなんだか知りませんが、いちいち関いきっているわけには行かない。こんど止められたら突きとばして逃げましょう。なんと言ったってこっちは駕籠屋の脚。目明しなんぞに負けるもンじゃない」
「ようごわす、やっつけましょう。おいどんもちっと胸糞が悪るうになって来ましたけん」
馬場先門をさけて日比谷から数寄屋橋。鍛冶橋の袂まで来ると、川に照りかえす月あかりで闇の中にギラリと光った磨十手。
「阿古長さん、おりますよ」
「ええ、知っています。では、やりますよ。ジタバタ暴れたら、当身でも喰わせてください。駕籠に乗せて持って行って護持院ガ原へでも捨ててしまいますから」
「心得申した」
先棒の土々呂進、拳骨に湿りをくれてノソノソと近づいて行く。
むこうはこんなことになっているとは知らない。