Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme
もおさまらなくなり、相手はもう仏になった人ですが、念を押して出て行ったすぐその後で、そんな舐めた真似をするおもんの白ばっくれように腹が立って、すぐおもんのところへ行って……」
「ずいぶんひどく殴ったりたたいたりしたそうだな。それで、殺す気になったのか」
藤五郎は顔色を変えて、
「あっしが、おもんを……」
ひょろ松は、十吉のほうへチラと眼くばせをしてから、
「藤五郎さん、もう証拠はあがった。……吉兵衛の家へ火をつけ、おもんに吉兵衛を殺させておいて、そのおもんをまた盛殺したのは、藤五郎さん、お前さんだろう」
藤五郎は、唇を震わせて、
「どういう証拠で、そんなことをおっしゃるンです」
「ひと口には言えないから、順々に言ってやる。……なア、藤五郎さん、さっき、内所で起されるまでグッスリと寝こんでいてなにも知らなかったと言ったが、七ツ半近くお前さんが土蔵の扉前でウロウロしているのを雪隠の窓から見かけたものがあるというんだが、それはどうしたわけなんだ」
それを聞くと、藤五郎は見る見る額に汗を滲ませて顔をうつむけてしまった。
ひょろ松はうなずいて、
「なるほど、この返事はしにくかろうから、わたしが代って言ってあげよう。