Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.550 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

これは、理屈です」

と言って、不審らしく首をかしげ、

「そのほうは納得がいきましたが、ここに不思議なのは加代姫を誘いだした手紙。これが大師流のいい手跡でとても中間陸尺に書ける字じゃない。この手紙のぬしは誰だろうというんで、藤波は躍気になってそいつを捜してる模様です」

とど助は、てれ臭そうな顔をして、

「……どうも言いにくいことだが、ひょろ松氏、それは、わしが書いた」

ひょろ松は、げッと驚いて、

「とど助さん、そ、そりゃほんとうですか。なんでまた、そんなつまらねえことを……」

「いや、面目しだいもない」

「面目どころの騒ぎじゃない。そういうことならあなたも関りあい。これは一応しょっぴかれます」

とど助は、しょげて、

「どうも、これは困った。なんとかならんもんだろうかの」

顎十郎は、ニヤニヤ笑いながら、

「こりゃア、逃れる道はありませんね。まアまア観念して藤波に威張られていらっしゃい。……だから、あのとき、あたしがよせよせ、ととめたのにあなたが聞き入れないものだから、……それはまア、大したことはないが、そういうのっぴきならない情況で、おまけに藤波の掛りというのであれば、否でも応でも加代姫は突きおとされる。