Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.550 Zeichen · 27 Bildschirme
……気の毒なもんですねえ、とど助さん」
「さよう、いかにも気の毒。なんとかならんもんでしょうかなア。袖すりあうも他生の縁。あんた、ひと肌をぬいでつかわさりまッせ。加代姫だけならいいが、三十二万石に瑕がつくことですけん、なア、アコ長さん」
顎十郎は、組んでいた腕あぐらをバラリと振りほどいて、
「おっしゃる通り、いかにもこれは因縁ごと。よろしい、なにをかやっつけて見ましょう。相手が藤波というのであれば、これは久しぶりの咬みあい、まんざら気が乗らないわけもない。……『かごや』に加代姫が出むいて来たから、加代姫が殺ったのだと考えるのは、あまりチョロすぎる。加代姫が帰った後で、だれか別な人間がやって来てそいつが殺したのだとなぜ考えちゃいけないんです。……あたしの推察では、たしかにだれか加代姫の後に来たやつがあったんだと思う。……要するに、これから『かごや』へ出かけて行って、そいつがやって来たというたしかな証拠をさがし出しゃアいいわけなんです。とにかく、その前に加代姫にあってしっかりと念を押しておくのが順序だが。……ひょろ松、加代姫はいまどこにいるんだ」
「お屋敷に押しこめられているそうです」