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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

江戸じゅうの割り箸をぜんぶ調べて見なけりゃアならねえわけ。あなたほどの人がこんなことに気がつかないわけはないのだから、こりゃア、テッキリなにかアヤがあるのだと睨んでいました。……それで、これからどうします」

「なんでもいいからこちらの間違いだったということにして、鮨売をみんな放してしまえ。そこまでやったら、むこうは油断をして、かならず、引っかかって来るにちがいないと思うんだが」

「なるほど。では、あっしは、これからすぐ伝馬町へ行って……」

気早に駈け出そうとするのを、顎十郎は押しとどめて、

「待て待て、まだ後があるんだ。……お前も見たはずだ、藪下の菊人形。……植半の小屋に坂東三津五郎の似顔にした『小鰭の鮨売』の人形があったが、お前、あれをどう思う」

「どう思うといいますと」

「歌舞伎の所作事の物売と言えば、まず、乗合船の『白酒売』。法界坊の『荵売』。それから団扇売、朝顔売、蝶々売。……魚のほうでは、立花屋の『鯵売』『松魚売』てえのがあるが、小鰭の鮨売というのはまだ聞かない。ところで、立札には、ちゃんと所作事としてあった。……いったい、これはどういうわけなのか、足ついでに猿若町へ行って、それとなくその次第をききこんで来てくれ。