Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.527 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

これじゃア話がすこしうますぎやしませんか」

と言って、チラリと庄兵衛のほうを見て、

「尤も、あッしの智慧じゃない。これはけぶだと最初に言い出したのは、実は旦那なんです。そう言われて見ると、なるほど……」

庄兵衛は、大きな赭鼻をうごめかしながら引取って、

「どうだ、阿古十郎。あの石井順庵が、これはコロリだと言い切ったのだが、与力筆頭の眼力はそんなチョロッカなもんじゃない。これは、なにかアヤがあると、たちまち洞察いてしまった」

ひょろ松は前につづけ、

「そう言われて、あッしも成程と思い、堺屋へ乗りこんで調べて見ますと、すぐ、いま言った関係がわかったんです。……忠助というのは主人の遠縁にあたるもので、弟の市造と三年前から堺屋へ引き取られて手代がわりに働かされていたのです。……ところが、この忠助は、いつの間にか妹娘のおさよと出来てしまった。これが、陰気な、見るからに気のめいるような男で、仕事ッぷりもハキハキしないところから、平素から嘉兵衛の気に入らなかったらしいんですが、こんなことがあったので、主人はすっかり腹を立て、一度は弟もろとも追い出されかかり、ようやく詫びを入れて店へ帰ったようなこともあるんです。