Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.468 Zeichen · 25 Bildschirme
「……ところが、それから二月たつかたたぬうちに、なんのはずみか総領の甚之助さんがにわかにドッと熱を出し、半日ほどのあいだ苦しみつづけに苦しんで死んでおしまいになった。……あっしも出かけて行って湯灌の手つだいをしたんですが、そのとき、なにげなく甚之助さんの胸のあたりへ眼をやりますと、文久銭ぐらいの大きさの赤痣が出来ている。……ちょうど、守宮が五寸釘でぶッ通されたと思うあたりにそういう奇妙な赤痣が出来ていて、そこからジットリと血が滲みだしているンです……」
アコ長は怯えたようにチラととど助と眼を見あわせ、
「なるほど、凄い話だな」
「そのあとのことは、さっき風呂でお聴きなすった通りですから、くどくどしく申しあげることはない。……お次は三男の甚三郎さん。それからご新造さん、……姉娘のお藤さん、……次男の甚次郎さんというぐあいに順々に同じような死に方をし、こんどは四男の甚松さんまで。……あっしが臆病なばっかりにこんな始末。あのとき守宮を釘からはずすか有体にいうかしたら、こんなことにはならなかった……守宮の祟りとはいいながら、煎じつめたところあっしの罪。手こそくださないが阿波屋の六人はあっしが殺したも同然。