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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.604 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

……どんな辞世だ」

「……ええと、……『草枕、旅寝の衣かはかつや、……夢にもつげむ、思ひおこせよ』というんで」

顎十郎は、また笑って、

「お前に読まれると、馬内侍が泣きだす。……その歌は、『続詞花』に載っている。……梨壺の五歌仙といって、赤染衛門、和泉式部、紫式部、伊勢大輔なんかと五人のうちに数えられる馬内侍という女の読んだ歌だが、すこしばかり文句がちがう。……馬内侍の歌は、『旅寝の衣かはかずば……』というんだ。……下凡の御用聞に読ませるとまったく滅茶をする。……『かはかつや』たあ、なんだ」

ひょろ松は、口を尖らせて、

「下凡と言われたって腹も立ちませんが、たしかに、そう書いてあったんで。……論より証拠、ここに写しを持っています……」

懐中からの捕物帳を出して、歌を写し取ったところを指しながら、

「……どうです、ちゃんと、『旅寝の衣、かはかつや』と書いてあるでしょう」

顎十郎は、捕物帳を手に取って眺め、

「なるほど。……写し違いじゃないんだろうな」

「いくら下凡でも、てにをはぐらいは心得ていますよ」

顎十郎は、口の中でいくども歌の文句を繰返してから、

「乾かず、というなら、『ず』