Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.674 Zeichen · 36 Bildschirme
と言って、言葉を切り、
「すまないが、だれか氷見役人のところへ行って、だいたい、なん刻ごろにお振舞の氷がおしまいになったかたずねて来てくれ。……おれは、これから金助町の叔父のところへ行って袂時計を借りだして来るから。……もどって来たら、すぐ吊りだせるように、氷室のそばへ駕籠を持って行っておいてくれ」
「へい、ようございます。……おい、為、寅、駕籠部屋から駕籠をひきだして、お氷の箱ぐらい重味を乗せておけ」
「合ッ点」
つい、眼と鼻の金助町。
叔父から袂時計を借りだして氷室のそばまで行くと、部屋じゅう総出になって顎十郎を待っている。
「これは、えらい人数だ」
「どうせ、尻おしついでに、みんなで威勢よく押しだそうというんで……」
顎十郎は手をふって、
「いけねえ、いけねえ、そんなことをしたら目立ってしょうがない。……為と寅、部屋頭、この三人だけでたくさんだ。……ときに、氷見役人はなんと言った、なん刻に氷振舞がおわったと言った」
敏捷そうなのが進みでて、
「……氷室をしまって詰所へひきあげたら、ちょうどお時計が十字半を打ったと申しておりました」
「十字半……よし、わかった」