Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.783 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

「香具師と板血とは友達だそうでございます」

庄兵衛は、一本やられて、うむ、といって苦りきってしまった。

そこへ、ひょろ松が入って来た。

見ると、いつものざっかけない衣装とちがって、八反の上下に茶献上の帯。上州あたりの繭問屋の次男とでもいったような身装をしている。

「どうした、だいぶ、野暮ったく光らせているの」

ひょろ松は、へへと髷節に手をやって、

「わっしも、なんとかして咽喉笛を斬られてみてえと思いましてねえ、それでこんな、きんきらをひきずって、根気よく毎日、佃のあたりをうろついているんでございますが、今日はとうとう匙を投げましてございます。……五日前の矢の倉不動の前のは、やはり物盗じゃございません。持って出たと思われる五十両は、てめえの家の神棚の上にのっかっていたそうでございます。これにゃ、どうも……」

庄兵衛は、シタリ顔で、

「それみろ、やはりかまいたちだわい」

「わっしもいよいよ我を折りました。しかし、越後、信濃にはございましたろうが、開府以来、江戸にはまだなかったことでございまして、それが、どうも腑におちませんのでございます」

「そのへんが妖怪の融通無碍なところであろうて。