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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.248 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

舌を噛み切るからね」

顎十郎とひょろ松が、それへ乗る。

「それッ、行け!」

引綱へ五人、後押しが四人。公用非常の格式で、白足袋跣足の先駈けが一人。

「アリャアリャ、アリャアリャ」

テッパイに叫びながら、昼なかのお茶の水わきをむさんに飛んで行く。

銀簪

その日の宵の戌刻。

露月町の露路奥。

清元千賀春という御神灯のさがった小粋な大坂格子。ちょっとした濡灯籠があって、そのそばに、胡麻竹が七八本。

入口が漆喰で、いきなり三畳。次が、五畳半に八畳六畳という妙な間取り。その奥が勝手になって、裏口から露路へ出られるようになっている。

勝手につづいた六畳で、足を投げ出している顎十郎。壁にもたれて、いかにも所在なさそうに、鼻の孔をほじったり無精髯を抜いたりしている。

そっと、裏口の曳戸があいて、忍ぶようにひょろりと入って来たのが、ひょろ松。

顎十郎のそばへ膝行よると、大息をついて、

「やはり、お推察通りでございました」

顎十郎は、うなずいて、

「そうだろう、……それで、藤波のほうはどうだ。やって来ると言ったか」

「おつかい通り、きっちり亥刻(午後十時)にお伺いするという口上でした」