Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.028 Zeichen · 28 Bildschirme
「あっしは西の丸の新組におりやした。……へっへ、ちっとばかりしくじりをやらかしましてね。ま、よろしくお引きまわしをねげえますよ。……さア、もうひとつ」
「す、すみませんねえ。……ひッ、……もう、じゅうぶんに頂戴いたしましたよ。……ひッ、……いけねえ、そうついだって飲めません」
「なにも、そう遠慮なさることアねえ、顔つなぎだ。……もうひとつ、威勢よくやってくんねえ」
琴平町の天神横丁。油障子に瓢箪と駒をかいて、鉄拐屋と読ませる居酒屋。
ぐずぐずになって、いまにもつぶれそうに身体を泳がしているのは薄あばたのあるお徒士か門番かというようすの男。酒をついでいるのが、藤波友衛。
中剃をひろくあけたつっこみにゆい、陸尺半纒にひやめし草履。どう見ても腹っからのお陸尺。
「ねえ、お門番。きのう、ご代参があったようだが、ありゃ、いってえ、いくつ出たんで」
「ご代参って、どちらのご代参」
「ご代参なら、大塚の本伝寺にきまってる」
「ひッ、……よく知ってらっしゃいますねえ。……そ、それならば、十四挺」
「こりゃア、けぶだ。……あっしは部屋の窓からなにげなく数えたんだが、帰って来たときは、もっと多かったようだ」