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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.707 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「大黒屋……、だ、い、こ、く、や……」

と呟いていたが、急に横手をうって、

「あッ、わかりましたッ。……すると、あの縁起まわしの大黒絵の刷物は、絵ときで場所を知らせる廻状のようなものだったんで……」

「いかにもその通り……それで、きょうは、いったい、何日で、そして、なんの日だ」

「きょうは、九月四日……」

指を折って、

「朔日が酉でしたから、……酉、戌、亥……、あっ、子の四日……。それで、鼠が四匹か……。どっちみち、あの碁石をならべたようなのが、手がかりのもとになったのでしょうが、いったい、あれは、なんでありました」

顎十郎は、顎を撫でながら、

「おれも、あれには一ぷくふいた。……なんの符牒なのかいっこうにわからない。……すこし嫌気がさして、ころがっていた船宿を出て、小田原町の通りをあてもなくブラブラ歩いていると、すぐそばの露地の奥で、尺八の師匠が、れ、れ、つ、ろー、ろ、とやっている。……なんの気もなく、二三町ゆきすぎたところで、これだ、と思いついた。なるほど、そう言や、尺八の符本にある符牒だ。……ただ、のべったらになっていたのでわからなかったのだ。大黒絵をその師匠に見てもらうと、これは尺八の符じゃありません。