Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜはささやく
風はささやく
小川 未明
Lesen Sie 風はささやく (かぜはささやく) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.961 Zeichen · 8 Bildschirme
その子は、鬼ごっこに加わらず、ぼんやり立っていたので、彼は、そばへいき、ハーモニカを借りて、いまなお子供たちに親しまれる、ちょうちょう、ちょうちょう、菜の花にとまれを吹いて、聞かせたのです。すると、子供たちは、鬼ごっこをやめて、
「おじさんは、うまいんだなあ。」と、たちまち彼を取り巻きました。いま子供らの目は、いずれも遠い、美しいものを憧れているのです。彼は、その姿のうちに、少年時代の自分を見いだしました。そして、あの、なつかしい親類のおじさんを。
「おじさんは、どこからきたの?」と、子供が、ききました。
「あっちから、君たちとお友だちになりにきたのだよ。」と、彼は、答えました。
「ほんとう、ここは涼しいよ。そんなら、明日から、木の下で、おもしろいお話をしてくれたり、ハーモニカを吹いて聞かしておくれよ。」
「いいとも。」
このとき、風は、頭の上で、さわやかにささやきました。
「明日から、いいことがある。」
彼の胸に、かすかながら、ふたたび希望がよみがえったのであります。