Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふううのばんのこぞうさん

風雨の晩の小僧さん

小川 未明

Lesen Sie 風雨の晩の小僧さん (ふううのばんのこぞうさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.030 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

咲いていたのを覚えていないか。僕は、いつまでも、あのときのことを忘れずにいる。なぜなら、あの日は、独り君だけの送別会でなく、たつ子さんとの送別会にもなってしまったからだ。たつ子さんは、君が東京へ立って後まもなく、上州の製糸工場へいってしまったのだ。

この冬は、僕にとっていつになくさびしい。かるたを取って遊ぶにしても、またスキーをして遊ぶにしても、僕は、親しい二人の姿が見えないので、なんとなく独りぼっちのような気がする。しかし僕たちは、いつまでも子供ではおられないだろう。みんなは大きくなって、この世の中のためにつくし、親に孝行をしなければならぬのだ。

どうか、いつまでも、学校時代に培われた健全な精神の持ち主であってくれ、そして、たとえ遠くわかれていても、おたがいに手を握り合ってゆこうよ。こちらのさびしいのにひきかえて、東京は、いつもにぎやからしい。おひまがあったら、いろいろとおもしろいことを知らしてもらいたい。

*   *   *   *   *

信吉は、手紙を懐にしまって、両方の目を赤くしながら、しばたいていました。

日が暮れて、雨が降り出しました。