Japanische Klassiker mit Furigana
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めしまつま
飯待つ間
正岡 子規
Lesen Sie 飯待つ間 (めしまつま) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.525 Zeichen · 126 Bildschirme
それは、この船に乗って居た軍夫が只今コレラで死んだ、という事であった。これを聞くと自分の胸は非常な動悸を打ち始めて容易に静まらぬ。周囲は忽ちコレラの話となってしもうた。ただこの後の処分がどうであろうという心配が皆を悩まして居る内に一週間停船の命令は下った。再び鼎の沸くが如くに騒ぎ出した。終に記者と士官とが相談して二、三人ずつの総代を出して船長を責める事になった。自分も気が気でないので寐ても居られぬから弥次馬でついて往た。船長と事務長とをさんざん窮迫したけれど既往の事は仕方がない。何でも人夫どもに水を飲ませるのが悪いというので、水瓶の処へ番兵を立てる事になった。自分は足がガクガクするように感ぜられて、室に帰って寐ると、やがて足は氷の如く冷えてしもうた。これは先刻風呂に這入った反動が来たのであるけれど、時機が時機であるから、もしやコレラが伝染したのであるまいかという心配は非常であった。この梅干船(この船は賄が悪いのでこの仇名を得て居た)が我最期の場所かと思うと恐しく悲しくなって一分間も心の静まるという事はない。しかし郵便を出してくれると聞いて、自分も起き直って、ようよう硯など取り出し、東京へやる電報を手紙の中へ封じてある人に頼んでやった。