Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こうぎょとすいしつ

香魚と水質

佐藤 垢石

Lesen Sie 香魚と水質 (こうぎょとすいしつ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.955 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

食事が、必要から好厭に分かれ、さらに趣味にまで進んできたのは、既に五千年の昔であるのを古代支那人が料理書に記している。必要と好厭は、動物の世界にある共通の事実だが食品を耽味するという道楽は、人間ばかりが持っている奢りらしい。

新秋の爽涼、肌を慰むるこの頃、俄に耽味の奢りが、舌端によみがえりきたるを覚える。けだし古来、生は食にあるか性にあるか、と論ぜられるけれど、性食渾然としたところに人生があるのではあるまいか。だが、筆者は既に中老、性の方面はドライの域に入りて数年、いまはただ食味の方面のみ、人生の造営を眺めているのである。

大根、菜、芋、茸などの姿を眼に描けば、皮下に肉脂溢るる思いがする。野菜の味品ほど人に親しまれるものは他にあるまい。魚獣の佳味、美器の艶谷を誇ったところで、野菜の点彩がなければ、割烹の理に達したとはいえないであろう。

野菜の至味を想う頃、筆者の食感を揺するものに、初秋の鮎がいる。共に、野趣豊かな高い香気を持つゆえのものは、一つは地中の滋汁を吸って育ち、一つは川底の水垢を採って生き、何れも大自然から直接栄養を得ているためではあるまいかと思う。