Japanische Klassiker mit Furigana
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こうぎょとすいしつ
香魚と水質
佐藤 垢石
Lesen Sie 香魚と水質 (こうぎょとすいしつ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.955 Zeichen · 8 Bildschirme
お隣の、悪質の火成岩を河原の転石に持つ相模川の鮎に比べれば、食味も姿も水際立って優れていた。日本一とまではいくまいが、少なくとも関東一くらいに誇っても、外から苦情は出なかったかも知れない。
ところが、東京が次第に大きな姿になるに従って、多摩川の水はことごとく上水道に奪われてしまった。甲州や武州の山奥の水成岩の割れ目から、一滴ずつ滴り落ちた水の集まりは羽村の堰で塞き上げられ、東京市民の喉をうるおすのである。そこで、羽村から下流の多摩川の水は多摩川本来の水とは全く縁を絶って、いまでは、僅かに一本の支流秋川を合わせるのみで、他は全部田用水の落ち尻か、川敷からわき出た水ばかりである。昔とは、全く水の質を異にするようになったのである。何で食味を誇るに足る上等の鮎が得られよう。
それでもまだ東京の人々は、多摩川の鮎を日本一なりと主張して譲らない。
久慈川沿岸の人にいわせれば、久慈川の鮎を日本一なりと誇り、富士川沿岸へ行けば富士川の鮎は絶品なりと自慢する土地の人は、そのよってきたる理由を知らないのであるが、筆者から見れば決して無稽なことをいっているのではないと説明できるのである。