Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばれいしょのはな
馬鈴薯の花
亀井 勝一郎
Lesen Sie 馬鈴薯の花 (ばれいしょのはな) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.697 Zeichen · 4 Bildschirme
北海道の花といえば、誰でもまず鈴蘭を思い出すだろう。私の小学生中学生時代には、湯ノ川のトラピスト女子修道院の、はるか前方の丘はすべて鈴蘭畑であった。自由にそこへ行って、好きなだけ摘んでこれたが、いまはどうなっているか知らない。消滅してしまったのではなかろうか。
しかし鈴蘭よりもっと私の好きな花は馬鈴薯の花である。函館の東部、湯ノ川から二十町ほど歩いてゆくと、そこにトラピスト女子修道院があるが、この付近はすべて馬鈴薯畑か、とうもろこしの畑である。北海道の馬鈴薯は有名だが、あの花を注意する人は少いようだ。薯の方だけ注意しているが、六月頃から、そろそろ可憐な花が咲きはじめる。白と紫がかったのと二種類あるが、決してはでな花ではない。厚ぼったい花びらで、それがやや外側をむいて、小さく、つつましく咲いているだけだ。平凡と言えば、こんな平凡な花はあるまい。しかし、よく見ていると、実に清楚だ。ういういしい百姓の娘の、耳朶のような花だ。
修道院へ行く道の左右の、馬鈴薯畑の花のさかりの頃、私は馬鈴薯の花見と称してよく散歩した。この花の感じは、周囲の雰囲気にもよるだろう。