Japanische Klassiker mit Furigana
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うま
馬
佐左木 俊郎
Lesen Sie 馬 (うま) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.299 Zeichen · 15 Bildschirme
伝平は子供の頃から馬が好きだった。
「お父う! 俺家でも馬一匹飼わねえが? どんなのでもいいがら。」
伝平はそう口癖のように言うのだった。
「馬か? 濠洲産の駒馬でもなあ。早ぐ汝が稼ぐようになって飼うさ。」父親はいつもそう言うだけであった。
「馬一匹飼って置くといいぞ。堆肥はどっさり採れるし、物を運ぶのにも楽だし……」
「そんなごとは汝に言われねえでも知ってる。併し、馬飼うのにあ、馬小屋からして心配しなくちゃなんねえぞ。早ぐ汝でも稼ぐようになんなくちゃあ、馬など、飼われるごっちゃねえ。」
父親は、赤爛れの眼を擦りながら、そんな風に言うのであった。
併し、伝平は馬を諦めることが出来なかった。伝平は父親の眼を偸むようにして、他家の飼い馬の、飼料を採って来てやったり、河へその脚を冷やしに曳いて行ってやったりするのであった。部落の人達も、植付期とか収穫期とかの、農繁期になると、子供の馬方で間に合うようなときには、伝平をわざわざ頼みに来た。
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伝平が稼ぐようになってからも、伝平の家では、馬を飼うことなどはとても覚束なかった。僅かばかりの田圃を小作しているのであったが、それだけではどうにも暮らしがつかないので、伝平はよく日傭に出された。