Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えきふにっき

駅夫日記

白柳 秀湖

Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

見ると待合のベンチの上に油絵の風景を描き出した絵葉書が二枚置き忘れてある。

急いで取り上げて見たが、私はそれが千代子の忘れたものであることをすぐに気づいた。改札口の重い戸を力まかせに閉めて、転ぶように階壇を飛び降りたが、その刹那、新宿行きの列車は今高く汽笛を鳴らした。

「高谷さん※(感嘆符二つ、1-8-75) 高谷さん※(感嘆符二つ、1-8-75)」と私は呼んでいつもの三等室の前へ駆けつけて絵はがきを差し出したけれども、どうしたものか今日に限って高谷は後背の室にいない。

プラットホームに立っていた助役の磯というのが、私の手から奪うように葉書を取って、すでに徐行を始めた列車を追うて、一二等室の前を駆け抜けたが、

「高谷さん! お忘れもの!」と呼んで絵はがきを差し出した。

掌中の玉を奪われたようにぼんやりとして佇んでいると、千代子は車窓から半身を出して、サモ意外というたようにそれを受け取って一旦顔を引いたが、窓からこちらを見て、はるかに助役に会釈した。

平常から快からず思う磯助役の今日の仕打ちは何事であろう、あまり客に親切でもないくせに、美しい人と言えばあの通りだ。