Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

えきふにっき

駅夫日記

白柳 秀湖

Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

細君は一人で承知している。

ブーンとものの羽音がしたかと思うとツイ眼の先の板塀で法師蝉が鳴き出した。コスモスの花に夕日がさして、三歩の庭にも秋の趣はみちみちている。

「オ※ 奥さんですか、今日はとんだことでしたね」と言う声に見ると、大槻が開け放して行った坪の戸から先刻プラットホームで見受けた工夫頭らしい男が、声をかけながら入って来たのであった。細君は立ち上って、

「マア小林さん、今日は……随分久しぶりでしたね」という口で座蒲団を出す。小林はちょっと会釈して私を繃帯の下からのぞくようにして、

「どうだい君! 痛むかい、乱暴な奴もあるもんだね」

「え、ありがとう、なに大したこともないようです」

「傷も案外浅くてね、医者も一週間ばかりで癒るだろうって言うんですよ」と細君が口を添える。

「奥さん、今日は僕も関係者なんですよ」

「エ! どうして?」とポッチリとした眼をみはる。

「あんまり乱暴なことをしやあがるので、ツイ足がすべって野郎を蹴倒したんです」と言うたが細君の汲んで出した茶をグッと飲み干す。私は小耳を引っ立てて聴いている。

十二

「今度複線工事のことについてちょっと用事が出来てここまでやって来たのです。